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2007年8月11日 (土)

『とびひ』とは

毎日暑いですね。

汗をかくことの多い夏に起こりやすい肌トラブルに「とびひ」があります。

○とびひって何?

とびひとは民間でいわれる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。
細菌による皮膚の感染症で、接触によってうつって火事の飛び火のようにあっという間に全身に広がったり、ほかの子にうつったりすることから例えてとびひというのです。
あせも、虫さされ、湿疹などのひっかき傷から黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌が繁殖し、周囲に感染していく病気です。

○とびひの症状は?

水ぶくれができるタイプ水疱性膿痂疹と厚いかさぶたができるタイプ痂皮性膿痂疹の2種類がありますが、多くは黄色ブドウ球菌が原因の水疱性膿痂疹です。
 
黄色ブドウ球菌は水ぶくれを作る毒素をもっていて、皮膚にはやけどに似た水ぶくれができます。最初は米粒くらいの大きさですが、それがだんだん大きくなって卵くらいの大きさになることもあります。

初めは痛みがあり、後から多少のかゆみを伴います。

こすれるとヒリヒリ痛むのも特徴です。
水ぶくれの中にも毒素があるので破れると周囲に菌が散らばって、そこにまた水ぶくれができてしまいます。感染力が強く、1日で全身に広がります。大人よりも
子供がかかりやすい病気です。

痂皮性膿痂疹の原因菌はA群β型溶血性連鎖球菌です。
アトピー性皮膚炎などに合併することが多く、かなり急速に発症します。赤く腫れたところに小さな膿疱、びらんを生じ、さらに厚い痂皮ができます。炎症が強く、疼痛を伴います。

○とびひの治療は?

肌に突然水ぶくれがあらわれ、とびひかなと思ったらお医者さんにかかりましょう。
細菌を抑えるための飲み薬と塗り薬が出されます。
また、かきむしると病変が広がるので、かゆみどめの薬がでることもあります。
菌が完全に死滅するのに時間がかかるため、飲み薬は必ず医師に言われた期間飲み続けましょう。ほとんどは約1週間程度で治ります。
しかし、この頃は1週間で治らない耐性菌が増えています。
これは耐性ブドウ球菌といって治りが悪いので、1週間で治らない場合やひと夏で何回もかかる場合は耐性菌かどうか調べ、処置をうけましょう。

○とびひの予防は?

皮膚を清潔に保つことが大切です。
また、鼻前庭はブドウ球菌などの細菌の温床です。小児には鼻孔に指を突っ込まないように指導します。
手洗いの励行、爪を短く切って掻破したり皮膚を傷つけたりしないようにすることが大切です。

○お風呂にはいってもいい?

汗をかいて汚れたなと思ったら、あるいは最低1日1回は石けんを泡立ててそっと洗ってください。ただし患部が乾くまではお風呂につかるよりシャワーで洗い流すほうがいいでしょう。
兄弟のいる家庭ではタオルも別に用意しましょう。
入浴後は軽く押さえるようにタオルで水気をふきとりましょう。

○プールにはいってもいい?

悪化したり他人にうつす恐れがあるのでプールにははいらないようにしましょう。

○一度とびひにかかったら二度とかからない?

細菌が原因で生じる疾患なのでウィルス感染とは異なり、免疫は成立しません。
皮膚のバリアを侵してブドウ球菌、溶連菌に感染すると何回でもとびひにかかります。

○保育園、幼稚園、学校へは?

伝染性膿痂疹は、学校伝染病になっています。他の園児、学童にうつす可能性があるため医師に診てもらって登校許可がでるまでは登園、登校できません。
治療して病変部をガーゼ、包帯できちんと覆って露出していなければ、概ね登園、登校許可を得られます。
病変が広範囲の場合は休ませる方がよいでしょう。

Photo_2 written by 川内店