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2007年7月21日 (土)

「高脂血症」あらため「脂質異常症」に

日本動脈硬化学会は今年4月、総コレステロール値を診断基準から外し、病名を高脂血症から脂質異常症に変更しました。

高脂血症(脂質異常症)とは、血液中に溶けている脂質の量が異常に増えている状態をいいます。食べ過ぎなどによる過剰な脂質の摂取や、運動不足などにより血液中の脂質が多くなると、余分な脂質が血管壁に取り込まれ、動脈硬化を起こします。

動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳血栓・脳梗塞、足などの閉塞性動脈硬化症などの原因になります。

【脂質異常の診断基準】(空腹時採血)

  1. LDLコレステロール値  → 140mg/dL以上
  2. トリグリセライド(中性脂肪)値 → 150mg/dL以上
  3. HDLコレステロール値 → 40mg/dL未満

(この診断基準は検診や一般診療において、動脈硬化性疾患の予防が必要な対象をふるい分けるためです)

従来、総コレステロール値は220mg/dL以上を異常としてきたが、これだと善玉(HDL)コレステロールだけが多い人も治療対象になってしまう可能性があるため、診断基準から除きました。

また、善玉(HDL)コレステロール値が低い場合も高脂血症と呼ぶのは適当でないとして、病名を変えました。

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わかりやすく言えば、今まで言われてきた「総コレステロール値が高いと体に悪い」は間違いで、「悪玉(LDL)コレステロール値が高いと体に悪いが正しいという事です。

また、何でも「高値は悪い」は誤りで、「善玉(HDL)コレステロール値が低いと体に悪い」という事も判ってきています。

高脂血症(脂質異常症)治療の基本は、ライフスタイルの改善です。食生活の改善・適正体重の維持・適度な運動などに心がけて下さい。

これを十分に行った後も高脂血症がつづく場合には継続した薬物治療が必要になります。

written by 廿日市天神店