2007年9月22日 (土)

「じんましん」ってなんだ?

じんましんは、15%から20%の人が一生に一度は経験するといわれており、決してめずらしい病気ではありません。そのなかには1ヶ月程度であらわれなくなるもの(急性じんましん)と、消えたりあらわれたりを繰り返し、結局数ヶ月から数年におよぶ場合(慢性じんましん)があります。急性じんましんでは原因がわかるケースも多いのですが、慢性じんましんには特定の原因はなく、体質的なじんましんです。また、皮膚以外の病気がもとでおこっていることもあります。
ありふれているのに、案外治療にはてこずる病気です。

<じんましんが起こるメカニズム>
なんらかの刺激を受けて皮膚の脂肪細胞(マスト細胞)がヒスタミン(H)などの化学物質を放出すると皮膚の細い血管が拡張して赤く腫れます。  
また、血液中の水分がにじみ出して浮腫がおこり、知覚神経も刺激されてかゆみを感じます。                                                    
                            

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<じんましんの症状> 
赤い、みみずばれが広がったような皮膚、そしてかゆいのがじんましんの特徴で、皮膚の表面ではなく真皮という内側の部分がふくらみます。チリチリ痛むこともありますが、いずれの場合でも痕が残ることはほとんどありません。1個1個は2、3時間でなくなって、また別の部位に現れます。

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<じんましんの原因>
じんましんは、実は特定の原因やきっかけがないもの・・・

つまり原因不明であることが1番多いのです。これが全体の7割をしめるといわれています。体質的なじんましん、というしかないでしょう。

◆アレルギー性じんましん◆
食べ物・・・魚介類、牛乳、卵、ナッツ、豆類、果物、野菜、ゴム製品を含む植物など

薬・・・ペニシリン系、ピリン系など

昆虫の毒・・・ハチ、蚊、毛虫など

その他・・・花粉、ハウスダスト

◆非アレルギー性じんましん◆
アレルギー性じんましんと同じようにさまざまな経路でおこるが、アレルギーのメカニズムではないため、アレルギー検査では原因をつきとめることができません。

感染症・・・かぜ、虫歯など。特にウイルス感染。幼少児ではこれが原因であることが8割以上(少し前から風邪気味だったというケースなど)

食べ物・・・ヒスタミンやそれに似た物質をそれ自身が持つ豚肉、タケノコなどや、鮮度の低いサバやマグロなど血管に直接はたらくチーズ、ビール、アボガドなど食品添加物(保存料、着色料、酸化防止剤など)  

薬・・・抗生物質、造影剤、アスピリンなど

物理性の刺激・・・皮膚の圧迫、温熱・寒冷、日光、水との接触、汗など

体内に原因がある場合・・・ストレス、内臓の病気など

<じんましんがでてしまったら>

とりあえず皮膚を冷やすと、かゆみや腫れが少し治まることがあります。
きちんと治療するためには、腫れとかゆみを抑える飲み薬を使います。一般的には
抗ヒスタミン剤がよく効くのがじんましんです。最近では水なしでも服用できる薬もあり、便利になっています。また、1日1回の服用で効果が1日中持続するものもあります。
症状にも、薬の効果にも個人差があるので、自己流の対処ではなく、専門医の診断、治療を受けましょう。  

written by 川内店                          

2007年8月11日 (土)

『とびひ』とは

毎日暑いですね。

汗をかくことの多い夏に起こりやすい肌トラブルに「とびひ」があります。

○とびひって何?

とびひとは民間でいわれる俗名で、皮膚科の正式病名は伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)と言います。
細菌による皮膚の感染症で、接触によってうつって火事の飛び火のようにあっという間に全身に広がったり、ほかの子にうつったりすることから例えてとびひというのです。
あせも、虫さされ、湿疹などのひっかき傷から黄色ブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(溶連菌)などの細菌が繁殖し、周囲に感染していく病気です。

○とびひの症状は?

水ぶくれができるタイプ水疱性膿痂疹と厚いかさぶたができるタイプ痂皮性膿痂疹の2種類がありますが、多くは黄色ブドウ球菌が原因の水疱性膿痂疹です。
 
黄色ブドウ球菌は水ぶくれを作る毒素をもっていて、皮膚にはやけどに似た水ぶくれができます。最初は米粒くらいの大きさですが、それがだんだん大きくなって卵くらいの大きさになることもあります。

初めは痛みがあり、後から多少のかゆみを伴います。

こすれるとヒリヒリ痛むのも特徴です。
水ぶくれの中にも毒素があるので破れると周囲に菌が散らばって、そこにまた水ぶくれができてしまいます。感染力が強く、1日で全身に広がります。大人よりも
子供がかかりやすい病気です。

痂皮性膿痂疹の原因菌はA群β型溶血性連鎖球菌です。
アトピー性皮膚炎などに合併することが多く、かなり急速に発症します。赤く腫れたところに小さな膿疱、びらんを生じ、さらに厚い痂皮ができます。炎症が強く、疼痛を伴います。

○とびひの治療は?

肌に突然水ぶくれがあらわれ、とびひかなと思ったらお医者さんにかかりましょう。
細菌を抑えるための飲み薬と塗り薬が出されます。
また、かきむしると病変が広がるので、かゆみどめの薬がでることもあります。
菌が完全に死滅するのに時間がかかるため、飲み薬は必ず医師に言われた期間飲み続けましょう。ほとんどは約1週間程度で治ります。
しかし、この頃は1週間で治らない耐性菌が増えています。
これは耐性ブドウ球菌といって治りが悪いので、1週間で治らない場合やひと夏で何回もかかる場合は耐性菌かどうか調べ、処置をうけましょう。

○とびひの予防は?

皮膚を清潔に保つことが大切です。
また、鼻前庭はブドウ球菌などの細菌の温床です。小児には鼻孔に指を突っ込まないように指導します。
手洗いの励行、爪を短く切って掻破したり皮膚を傷つけたりしないようにすることが大切です。

○お風呂にはいってもいい?

汗をかいて汚れたなと思ったら、あるいは最低1日1回は石けんを泡立ててそっと洗ってください。ただし患部が乾くまではお風呂につかるよりシャワーで洗い流すほうがいいでしょう。
兄弟のいる家庭ではタオルも別に用意しましょう。
入浴後は軽く押さえるようにタオルで水気をふきとりましょう。

○プールにはいってもいい?

悪化したり他人にうつす恐れがあるのでプールにははいらないようにしましょう。

○一度とびひにかかったら二度とかからない?

細菌が原因で生じる疾患なのでウィルス感染とは異なり、免疫は成立しません。
皮膚のバリアを侵してブドウ球菌、溶連菌に感染すると何回でもとびひにかかります。

○保育園、幼稚園、学校へは?

伝染性膿痂疹は、学校伝染病になっています。他の園児、学童にうつす可能性があるため医師に診てもらって登校許可がでるまでは登園、登校できません。
治療して病変部をガーゼ、包帯できちんと覆って露出していなければ、概ね登園、登校許可を得られます。
病変が広範囲の場合は休ませる方がよいでしょう。

Photo_2 written by 川内店

2007年7月21日 (土)

「高脂血症」あらため「脂質異常症」に

日本動脈硬化学会は今年4月、総コレステロール値を診断基準から外し、病名を高脂血症から脂質異常症に変更しました。

高脂血症(脂質異常症)とは、血液中に溶けている脂質の量が異常に増えている状態をいいます。食べ過ぎなどによる過剰な脂質の摂取や、運動不足などにより血液中の脂質が多くなると、余分な脂質が血管壁に取り込まれ、動脈硬化を起こします。

動脈硬化が進行すると、狭心症や心筋梗塞などの心臓病、脳血栓・脳梗塞、足などの閉塞性動脈硬化症などの原因になります。

【脂質異常の診断基準】(空腹時採血)

  1. LDLコレステロール値  → 140mg/dL以上
  2. トリグリセライド(中性脂肪)値 → 150mg/dL以上
  3. HDLコレステロール値 → 40mg/dL未満

(この診断基準は検診や一般診療において、動脈硬化性疾患の予防が必要な対象をふるい分けるためです)

従来、総コレステロール値は220mg/dL以上を異常としてきたが、これだと善玉(HDL)コレステロールだけが多い人も治療対象になってしまう可能性があるため、診断基準から除きました。

また、善玉(HDL)コレステロール値が低い場合も高脂血症と呼ぶのは適当でないとして、病名を変えました。

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わかりやすく言えば、今まで言われてきた「総コレステロール値が高いと体に悪い」は間違いで、「悪玉(LDL)コレステロール値が高いと体に悪いが正しいという事です。

また、何でも「高値は悪い」は誤りで、「善玉(HDL)コレステロール値が低いと体に悪い」という事も判ってきています。

高脂血症(脂質異常症)治療の基本は、ライフスタイルの改善です。食生活の改善・適正体重の維持・適度な運動などに心がけて下さい。

これを十分に行った後も高脂血症がつづく場合には継続した薬物治療が必要になります。

written by 廿日市天神店

2007年7月12日 (木)

尿路結石について・・・

Photo 尿路結石とは、尿中のカルシウム、マグネシウム、尿酸などが腎臓で結石となり、尿管や膀胱などにつまって激しい痛みを起こす病気です。

結石ができた場所によって腎杯結石や腎盂結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石などと呼ばれています。

1995年に発表された日本での尿路結石の全国規模の調査結果によると、約15人に1人が一生のうち一度は結石に悩まされるというくらい、尿路結石は頻度の高い病気なのです。男性が女性の2倍以上を占め、青年期から壮年期にかけて多く発症します。

代表的な症状は結石が尿管内に嵌入すると、側腹部から背部にかけて激しい疝痛が出現します。疝痛の多くは悪心、嘔吐、冷汗、腹部膨満などの症状を伴います。

1センチ以下の小さい尿管結石は水分を多く摂り、運動をすることで自然に排石されますが、自然排出が困難な大きさの結石の場合は、外科的治療である体外衝撃波治療や内視鏡手術治療などが適応になります。激しい疝痛には非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)かオピオイドの投与で軽減されます。

再発予防としては、水分摂取が推奨されており、1日2リットル程度の尿量をキープすることが大切です。

疑わしい症状があるなら私の様に我慢せず、すぐに泌尿器科の診断を受けましょう。

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written by 西条中央店(石男)

2007年7月 9日 (月)

こんなん出ました(-_-;)

2007年6月24日日曜日、朝起きると腰が少し痛かった。

しかし今日は楽しみにしていたゴルフコンペ!気にせずウキウキとゴルフ場へ。
そして愉快なメンバーで休日を楽しんでいたのだが、突然痛みは襲ってきた。
1時間も経過する頃には、顔面蒼白、痛みは耐えがたいものとなっていた。

ん?これは?とかすかな記憶が、、、実は私は大学時代に尿路結石で2度辛い思いをした経験があるのです。その時は試験前日の深夜、救急車で運ばれ、朝まで点滴、そのまま試験を受け見事に単位はもらえなかった(翌日から友人の笑いネタとなり、

しばらくあだ名は『石男』

その痛みとまったく一緒なのです。間違いないと思った私は偶然常備していた痛み止めを飲んで、なんとか無事コンペ終了。
それから痛みは和らいでいたのですが、

7月5日深夜、『カチーン』 

つ、ついに産まれましたぁ!!

そうです。結石が出てきたのです。

ちなみに人間の経験する3大痛は、出産、歯痛、そしてこの結石と言われています。

そんな痛みから解放された私は、あまりに嬉しくてなってしまい『これだけ自分を苦しめた憎いヤツ』、記念に残してやろうと撮影してやりました。

以上が私の苦い闘病記録でした(^▽^)

次回は尿路結石について書きますので、疑いのある方はぜひ参考に。

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written by 西条中央店(石男)

2007年3月15日 (木)

陽性でした・・・

先日、診察前にブログに記載しましたが・・・

結果は・・・

200703121656000_1 A型インフルエンザに陽性でした。

Dr・看護師さんの話によると、サンプルをセットして5分以内にA型濃い青い線が出たらしいです。

生まれて初めてのインフルエンザ陽性でした。自分は大丈夫だ!と『うがい』『手洗い』を怠って感染した非常に悪い例となってしました。

花粉の飛散量は落ち着きましたが、インフルエンザウィルスは猛威を振るっております。

皆様も、予防が一番ですので『うがい』『手洗い』を励行して下さい!200703121656001_3

ウィルス感染すると"ぶちたいぎい"(広島弁)ですので・・・

2枚の写真は陽性直後のキットの写真です。受診したクリニックの好意(?)でキットを記念に頂きました。(捏造ではなく実物写真です!)

Written by TANIGUCHI

2007年3月12日 (月)

インフルエンザ!?

最近インフルエンザが流行してきたねぇと言っていた矢先に自分自身が、生まれて初めてインフルエンザに感染したかも・・・(-_-;)  急な発熱・関節痛・悪寒等々・・・

今から内科で診察を受けますが、インフルエンザキットA型・B型共に陰性信じて受診してきます。

確かに今年は遅れて流行してきてますので、手洗い、うがい等みなさん予防に努めましょう!

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←インフルエンザウィルスらしいです。

Written by TANIGUCHI

2007年3月 2日 (金)

花粉飛散情報(広島南部)を・・・

ミント薬局花粉症対策チームも1月のミントニュースで花粉飛散予測をアップ致しましたが、予想に反して<(_ _)>今シーズンは暖冬の影響か?早い時期から大量の花粉飛散が続いております。今後、例年より早めに花粉飛散が終了するのか、このまま大量に飛散し続けるのか非常に予測できない状況になっております。ミント薬局にも、すでに多くの患者様がアレルギー性鼻炎(花粉症)で来局されております。またインフルエンザに関しましては、こちらは例年より遅れて流行の兆しがありますので併せてご用心下さいませ!

ミント薬局花粉症対策チームより皆様へ花粉シーズン終了まで、毎日ミント薬局ホームページにて広島南部の花粉飛散情報を発信させて頂きます。

毎日22:00以降に翌日の飛散情報をアップ致しますので、花粉症の予防対策にお役立て頂けたらと思います。

1平方cmあたりの花粉の個数をイラストで表示しております。詳しくは下記にて・・・

http://www.mint-pharmacy.jp

Written by ミント薬局花粉症対策チーム

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非常に多い:50個以上

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多い:30個以上、50個未満

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やや多い:10個以上、30個未満

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少ない:10個未満

2007年2月 9日 (金)

花粉症 Q&A

花粉飛散も始まったようです。患者様からよく聞かれる質問を集めてみました。

Q1 親が花粉症だと子供もなりやすいですか?
A1 Yes アレルギー体質は遺伝します。花粉症もアレルギーの病気ですから、親が花粉症の場合、子供も花粉症にかかりやすいと言えます。

Q2 どんなときに花粉が飛びやすいですか?
A2 暖かくて空気が乾燥してる日です!気温が高くて、湿度の低い日は花粉が飛びやすい状態になります。風の強い日はさらに要注意!

Q3 マスクの値段が高いほど、花粉の防御効果があるって本当?
A3 Nо 値段が高いものは素材や構造特長があるものが多いですが重要なのは、マスクの形や素材です。不織布を使用してるものや顔にフィットするものを選びましょう。 
       

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Q4 花粉症が治るって本当?            
A4 Yes 環境が変わったり、減感作療法などの治療法によっては治ることもあります。「治る」ということは、花粉に対して体が反応しなくなるということですが、花粉症が完治してなくても治療を行い、花粉症対策がきちんとされてれば、花粉症の症状は軽減あるいは消失します。

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written by 廿日市天神店 

2007年1月11日 (木)

しもやけについて。

木枯らしが吹く季節になると、耳や手足が赤くなってかゆくなる人はいませんか?1_4

原因は「しもやけ」しもやけは寒さによって起こる皮膚病で、病名は「凍瘡」といいます。寒くなると、血液の流れが悪くなり、それがなかなか回復しないために起こると考えられています。主に耳や手足に症状が出ることが多く、小指の頭ぐらいまでの赤紫色の斑点ができたり、指が赤く腫れ上がったりします。痛がゆいのが特徴で、暖まるとかゆみが増します。
しもやけはまず予防が大切です!

★予防として★

保温第一!外出時に手足や耳を寒さから守りましょう。
手袋、靴下、耳当てやマスクなどを着用するのが基本です。

湿気を避ける!
湿気もしもやけを起こしやすくするので靴下が湿ったら取り替え、手足が濡れたら乾いたタオルでよく拭き取ること。

きついサイズの靴、靴下は履かない!
足を圧迫し、結果的に血液が循環しにくくなるので注意しましょう。

入浴時のマッサージ!
入浴中に手足のマッサージをしっかり行うのもいいでしょう。        
                     
それでもしもやけになってしまったら・・・

★薬物療法★
薬を使った治療としては、ビタミンE軟膏やヘパリン類似物質などの血行促進剤を使いますが、腫れや炎症が強い場合にはステロイド外用剤も有効ですし、血行をよくする薬や、かゆみ止めの薬を飲んだりすることもあります。

ちなみに、子供の頃しもやけによくなっていても、成人すると自然に治ることがほとんどのようです。・・・が、私は成人してだいぶ時間がたった今でも毎年しもやけになります。靴下を履くのが嫌いで年中裸足でいるのが原因だとはわかっているのですが、まあ毎年のことなので・・・今となってはしもやけは冬が来たと実感できる、自分内風物詩の1つとなっています(^^;

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written by 川内店